さらにそののち、1930年代にはフェルナン・ポワン、アレクサンドル・デュメーヌ、アンドレ・ピックがエスコフィエの提唱した伝統的(すでにこのころにはエスコフィエの革新論はこう呼ばれていた)な料理を受け継ぎながら、さらに時代背景に合った料理を創造、改良していきました。ポワンたち三人の理念はそののちポールボキューズ、トロワグロ兄弟、ルイ・ウーティエらに受け継がれました。
1960年代後半から1970年代にかけて、生活様式の変化による運動量の減少、栄養過多による肥満の回避などから、バターや生クリームを減らした軽いソースや、新鮮な素材を短時間で調理するなど、「新しい料理」の創造が次々と生まれました。これを、ジャーナリストのアンリ・ゴー、クリスチャンミヨーの二人が「ヌーヴェル・キュイジーヌ」と称し、世界中にこの波が押し寄せたのでした。
その担い手となったのが、今日では大御所となった、ボキューズ、ウーティエ、トロワグロ兄弟、アラン・サンドランス、ミッシェル・ゲラール、故アラン・シャペルたちでした。