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目次


銀座のお店は割高か
それは十分に考えられることです。高くて回転が悪い料理を出すより、安価で回転率のよい料理を出すという方法を考える必要があるかもしれません。「キハチ」や「クイーン・アリス」のように。ただし、お客さんの中には銀座だからとお金を払ってくれる人が、いつの時代にもいるということです。
フランス懐石なるものは?
オードヴル、魚、肉、デザートといったフランス料理の基本的なメニュー構成とは別に、オードヴルが何品か、魚、肉も複数といった具合に、量を少なくして幾種類もの料理を味わうことの出来る「ムニュ・デギスタシオン」という提供の仕方が、フランスにもあります。

近年になってフランス料理自体の仕立て方が、かつてより軽くなったのと同時に、料理人が自分の料理を少しでも多く味わってもらいたいという気持ちから生まれたのでしょうか。ヌーヴェル・キュイジーヌが唱えられた時代から今日に至るまで多く見られます。

それとは別に日本には、茶事の懐石料理のように、季節のものを少量ずつほどほどに味わうという食習慣があります。これらが合わさって、「フランス風懐石料理」というものが生まれました。そのきっかけとなったのが1970年代頃のフランスのヌーヴェル・キュイジーヌという新しい風潮でした。

そして日本でこのフランス風懐石料理の先駆者的料理人となったのが、皆さんよくご存じのテレビ番組「料理の鉄人」のフレンチの鉄人、坂井宏行氏です。日本のフランス料理がそれまでのこってりとしたギンギンのものであったのを、日本人が親しみの持てる、軽やかで目を楽しませるフランス料理に仕立てました。それによって、年輩の人も、フランス料理を食べ慣れない人も、フランス料理に近づくことができました。

当時マスコミでは、褒め称えると同時に邪道説まで唱えましたが、私は今日にいたるまで、坂井氏の功績は立派なものだと思います。彼に続いて西麻布にある有名イタリア料理店でも、イタリア風懐石料理なるものができたほどですから。

さて、うまいかまずいかという問題は、たとえ正当なフランス料理にしてみても、これは個人の主観的な問題です。時代の流れに乗っていくならそれはそれでよし、 何も目くじら立てて評論家が「あれはフランス料理ではない」と言うこともないと思います。

フランスでもかつて、レモンも塩もかけていない生の魚の切り身(まさに刺身)を出していた「ル・デュック」という店もありましたし、現代料理人の偉人とまで言われているアラン・サンドランスはソースのないフランス料理の時代が来るとまで言っていました。いろいろです・・・・。
ホテルのフランス料理はどうなのか
フランス料理が日本に本格的に広まったのがホテルからでした。ホテルでの宴会料理にフランス料理を提供し、メイン・ダイニングにもフレンチレストランを配置するという具合でした。したがって、当時はホテルでしかフランス料理の修業は難しく、今日有名になった料理人たちのほとんどが最初はホテルで修業しました。今でも一番近道はホテルかもしれません。しかし、最近では営業方針でイタリア料理に変わるところが増えましたので、逆に街場のレストランに人気があるのでしょうか。

ホテルと街場のレストランとでは修業の仕方が全く違います。ホテルの仕事はきちんと部門別に分かれており、日本とフランスでは多少の違いがありますが、基本的にはロティスール(ロースト、グリエなどの焼き物係)、アントルメティエ(野菜料理、スープ、卵料理など)、ポワソニエ(魚料理とそのソース)、ソーシエ(全体の料理のソースをチェック、肉や魚のブレゼ、煮込みなどを担当し、最も重要な係)、ガルド ゥマンジェ(サラダなどの冷製料理や食材の仕入れ、整理)、パティシエ(菓子)となっています。

したがって、各部門を一年ごとに廻っても、すべての仕事が身に付くまでには相当の年数がかかるということです。ホテルの規模が大きければ大きいほどその時間もかかるということですね。○○ホテルに三年いましたという若い料理人さんが、ある講習会の実習で舌平目を三枚におろせなかったことを記憶しております。

いっぽう、街場のレストランではその反対に、入った途端、何でもやらされます。三年もいれば大体のことは出来るようになります。自分が望んで修業するシェフのテクニックも身に付きます。どちらがよいかは本人の判断にゆだねるところです。

ホテルでは、勤務時間の確立などの点で、朝から晩まで働きづめの街場のレストランに比べると、時間の開いた時にコンクールのための練習ができるというメリットがあります。企業の知名度を上げるために奨励しているところもあります。都内のあるホテルで、非番の料理人が、先輩の指導を受けながらコンクールの練習をしているのを見かけたことがあります。ですから、コンクールとなると決まってホテルの料理人が入賞するのも無理はありませんね。

しかし、入賞者を出したホテルでそのような料理が食べられるかというとこれがまた難しい問題で、「○○コンクールに入賞しました!」という宣伝文句はあっても、その料理が実際に営業用として出されたことはありません。入賞した本人は、今日もあいかわらずサラダだけを作っているかもしれませんのです・・・。
クリスマスのフランス料理はどうなのか
クリスマスはどの店も稼ぎ時です。あの手この手で客寄せのプランを立てます。その時期には料理人がどんなに忙しいか、どのような方法で料理が作られるかをよく知っている当方としては、日頃フランス料理を食べ慣れた人にはお薦めしません。しかし、メニュー構成や価格は、かつてのバブリーな時代とは違って、お得感がありますので、年に一度家族を伴っての食事や、なにか記念にしたい方々にはいいでしょう。

ただし、クリスマスの食事を楽しむということをくれぐれもお忘れなく。食事と共に会話も大きなご馳走です。会話の貧困はフランス料理を楽しみを半減させます。

夏に知り合ってからセッセとお金を貯めてようやく迎えたクリスマス。一生に初めてのフランス料理を彼女と食べるクリスマス。緊張に何を食べたか分からない。お互い向き合って黙って食べる・・・。早く食べて彼女のホロ酔い気分が冷めないうちにホテルに行こうなどと考えて予約も相当早い時間にする・・・。というような若い方々がバブル最盛期の頃はたくさんいました。今もそのような若者がもしいるとしたら、どうか今のうちにやめた方がいいでしょう。分相応というのは、お金のあるなしではなく、その文化を自然に受け入れられるかどうかということです。
家庭でもフランス料理は作れるか
フランス料理は何もレストランやホテルで食べるフルコースだけではないことは、よくおわかりのことと思います。フランス人が日常食べている、フランスの家庭料理は、日本の家庭でも充分に作ることができます。

敢えて専門的な調理道具は必要ありませんが、煮込み料理が多いので、厚手のシチュー鍋が一つあるといいですね。それと、日本料理のように野菜をさっと茹でたり、薄味で形を美しく煮たりすることよりも、柔らかく煮たものをペースト状に潰したり、裏漉ししたりすることがあるので、家電製品として売っているフード・プロセッサーがあると便利です。トウモロコシやジャガイモ、グリーンピースのスープなど簡単に できます。

あとは、日頃物置にしている、オーブンを使いやすくしておきましょう。素材を鍋に入れ、ガスなどの直火にかけて調理することと、素材全体を間接的な火力で包んで調理することとは仕上がりが違います。フランス料理の技法のブレゼやミジョテ、エテュヴェによる料理の仕上がりは、直火とはひと味違ったものとなり、フランス料理らしい味わいとなります。もちろんプーレ・ロティ(ロースト・チキン)などの大きな塊の肉の調理もできるわけです。
フランス料理というとカロリーが気になるが?
日本人の多くは、フランス料理というのは、高級レストランやホテルで食べる「ハレ」の食事と考えます。そこでは、旨みの元となるバター、クリーム、ワイン、コニャックに加え、フォン・ド・ヴォーなどの旨みだしなどなどが加わり、さらにさまざまな技法を駆使して複合的な味に仕上げた「たし算」の料理が提供されます。そうなると否が応でもカロリーは高くなっていきます。

しかし、丸ごとの鶏や脂の少ない牛肉の塊に野菜をたっぷりと加え、水だけで煮出した「プー・ロ・ポ」や「ポ・ト・フー」という料理や、地方に行くと生きた川魚に白ワインを加えてサッと蒸し煮にしたものに、茹でたジャガイモが添えてあるといった、我々日本人がダイエット食の参考にしたいような料理がたくさんあります。

したがって、そのような料理をどんどん提供する店が増えてくれると本当にありがたいと思いますが、やはり、消費者自体が、そのような家庭料理にきちんとお金を払ってくれるか・・・なかなか難しいのです。

ですから、フランス料理=カロリーが高くて不健康というイメージを一方的に持ってはいけません。フランスという国をもっと理解する努力をしましょう。


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